9-3 X

ボルボほど大ぶりではないが、要所要所で身体を支えてくれるシートは、日本車、いや月並みなドイツ車などと比べてもよほど抱擁感に富んでいることに気付き、ハッとさせられた次第だ。
ちょっと大げさな言い方をすると、これは作り手の良心がちゃんと宿っているシートだと思う。
建築や家具の世界において、北欧のモダニズムはヒューマニティ(人間味)があるモダニズムだ、なんて言われることがある。モノ作りにおいて、常に人間が真ん中にいる(人間が不在にならない)という意味だと筆者は勝手に解釈しているのだが、サーブのインテリアにも、この北欧の原則が貫かれているように思う。
もっとも、商品として考えると、ちょっと古さが隠せなくなってきている気はするけれども。 このギラギラとしたプレミアムセグメントにおいて、「9-3X」はエンジンもまた控えめである。
2リッターで209psもあって控えめと言ってしまっては語弊(ごへい)がありそうだが、要はこのクルマをかつての「9-3ヴィゲン」のように"エンジンで乗るクルマ"などと勘違いしてはいけないということだ。 ターボはトルクをリニアに生み出し、ドンッと押しの強いパンチを発揮してくるところがない。バランスシャフトがきめ細かい回転フィールをもたらし、高回転まで引っ張ってもターボチャージャーの消音効果も手伝って室内は静か。
だからエンジンの存在感が薄く感じられるが、実際は十分以上の動力性能を発揮している。さり気なくオトナなクルマである。
主要緒元・仕様
モデル |
9-3X |
トランスミッション |
セントロニック マニュアルモード付 6速オートマチック |
駆動方式 |
四輪駆動(XWD) |
エンジン種類 |
水冷直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ |
総排気量 |
1,998cc |
最高出力(EEC) |
154kW〔209ps〕/5,300rpm(EEC) |
最大トルク(EEC) |
300Nm〔30.6kgm〕/2,500rpm(EEC) |
タンク容量 |
61リットル |
車両重量 |
1,680kg |
全長 |
4,690mm |
全幅 |
1,800mm
|
全高 |
1,570mm |
定員 |
5名 |
タイヤ |
225/50R17 |
ステアリング・ホイール・ポジション |
右 |
価格 |
¥5,200,000 |
主要オプション装備一覧
バイキセノンコーナリングヘッドライト
ステアリングホイールの切り角に応じて、ヘッドライトの照射方向を変える電子制御システムです。ワインディングでの視界向上に役立ちます。 ※ベクター、エアロ XWDにメーカーオプション設定
サーブパーキングアシスタンス(SPA)
駐車の際に、クルマと障害物の距離を推測するセンサーをリアに内蔵。クルマの陰に隠れて見えない障害物に近づくと、警告音で知らせます。
ReAxs
コーナリング時に、コーナー外側となる後輪のトウをニュートラル方向へごくわずかに偏向させる、独自のパッシブステアリング機構。これにより車両の回頭性を向上させ、アンダーステアを抑制します。
ラゲッジスペース
9-3スポーツエステートのラゲッジスペースは約419L(VDA規格)。後部座席の背もたれを倒せば、約1,273Lにまで拡大します。また、 "積む"ためのアイデアも満載。たとえば、荷物に応じて2WAYで積み方が選べるツインフロア機能。クローム仕上げが美しい飛行機をかたどったハンドルの操作でフロアが可動。持ち上げれば、小物等を機能的に収納できるスペースが顔を出します。テールゲートのオープナーはゲート左右に設置。利き腕を問わず開閉が容易です 。
フルセグ対応HDDナビゲーションシステム
フルセグ対応のHDDインダッシュナビを採用。40GBのHDDを内蔵し、DVDにも対応。7.0インチの大型画面です。 ※ベクター、エアロ XWDに標準装備
ステアリング部集中コントロールシステム
オーディオの音量調整や選曲、プロファイラーシステムの設定はステアリング上のボタンを押すだけ。視線移動で運転中の安全性を妨げません。
ナイトパネル
航空機メーカーをルーツにするサーブならではの機能です。ワンタッチで速度計以外のすべてのインストルメントパネルの照明を消すことができます。視界に余計な情報を入れないことで、夜間の運転により集中できます。また、ナイトパネルがONでも、燃料が少なくなった時など、ドライバーに知らせる必要がある場合にはその警告灯などを自動表示。オーディオの選曲時も点灯し、操作をアシストします。
サーブアクティブヘッドレスト-2 (SAHA-2)
走行中に追突された際に、ヘッドレストを前・上方向に移動させることで頸椎損傷(むち打ち)のリスクを約75%も低減したサーブアクティブヘッドレスト(SAHR)。9-3シリーズに搭載された第2世代バージョンSAHR-2は、さらにバックレスト上部も前方に動き、頭部をより効果的に保護します。
スポーツモード
インパネ内のボタンでモード切り替え。アクセルペダルから急に足を離した時、高回転時であってもギアをホールドし、シフトアップを抑制。一方、ブレーキング時にはシフトダウンを早めることで、ドライバーの意をくんだ変速で積極的な走りをアシストします。
XWD(クロスホイールドライブ)システム
駆動力の分配を走行状態に応じてアクティブに制御する9-3エアロ XWDに搭載されたサーブ初の4輪駆動システム。アクセルやシフトレバー、ステアリングホイール、ESPRシステムなど、20以上のセンサーから1秒間に100回ものシグナルを受信し、車体の挙動を常時モニタリングすることで、最良のトラクションコントロールを実現します。
関連記事
- 9-3 X
ボルボほど大ぶりではないが、要所要所で身体を支えてくれるシートは、日本... - 9-3 スポーツセダン
最大の特徴は、従来からの2リッター直4ターボに加え、2005年末に投入... - 9-3 スポーツエステート
2675mmのホイールベースに、全長×全幅×全高=4654×1762... - 9-3 カブリオレ
「サーブ」というと、プレミアムブランドのなかでは脇役に甘んじている。で... - サーブとは
サーブ・オートモービル (Saab Automobile AB ) はかつて...